悠久の刻のなかで

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「悠久の刻のなかで」は、「交易路ライゼン」で開催されるリレー小説です。

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「悠久の刻のなかで」インデックス

オリジナル版『悠久の刻のなかで』(継続中)
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[101〜120] [121〜140] [141〜160] [161〜180] [181〜200]
[201〜220] [221〜240] [241〜260] [261〜280] [281〜300]

編集版『悠久の刻のなかで・第一部』(全22頁)
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第181話〜第200話

■[NAG]
[続81話 送り出す俺]
真っ直ぐに俺を見詰める双眸に、冷静さを欠いていた自分が恥ずかしかった。
‥‥‥。
「分かった。お前に頼もう」
「よし、そう来なくてはな」
「手を出せ」
少し躊躇いながらもシルエラは顔の前に手を差し出した。俺はその手に自分の手を合わせると握り締めた。
「な、なんじゃこれは」
「誓いの握手だ。絶対無事に帰ってこいよな」
「当たり前じゃ。わしにはこれ位のことは楽勝じゃ」
振り回される機体の中、這いつくばっている二人だが、次第と笑みが浮かんでくる。
「では行って来る。後は任せたぞ」
シルエラはその言葉と共に握り合う手に力を込めた。
そして手はほどかれ、シルエラはコクピットを出て行った。

■[鬼環ばん!]
[第82話 緑の流星]
半刻後、レーダーが高速で接近する物体を補足した。
朱雀か!!
-あははははっ、捕らえたわよ佐久・・・-
そこまで言い、朱雀は亀の姿に言葉を詰まらせた。
-何アレ!? 緑色の・・・S.E.!!?-
-行くぞ圭一!!-
「おぅ!!」
俺は既に備えられた盾から杖を引き抜く。そして、左手には螺旋を!
「一気にいくぜぇ!!」
二つの武器が交差する・・・機体は、緑の閃光と成り、朱雀の胴体を貫いた。
-一撃!? 馬鹿なぁ!!!-
奴の断末魔が響く。
強烈な爆発。俺は右手の獲物で、立ち込める爆煙を払い散らした。
「・・・二度ある事はってか」
右手のドリルを見つめながら、俺は溜息をつく。
シルエラと亀が融合した事により、三族の力を備えた、究極の機体に変貌した玄武。
仮に『緑大帝』とでも呼ぶべきか?
「これならオロチも恐かねぇ。行くぜ、シルエラ!!」
俺達は先を急ぐ。目指すは九頭竜川!!

■[軍師T]
[続83話]
数分後、緑大帝は日本海側から九頭竜川に近づいていた。ディスプレイに付近の地図が映し出す。正面遠方に九頭竜川の河口が望遠で表示されている。右手遠方にはかすかに火力発電所の煙突が伸びているのが見える。夕焼け空が赤く綺麗で、こんな時でなければシルエラとじっくりと眺めていたい景色だった。
「さあ、来てやったぜオロチ。・・・何処にいやがる?」
俺の呟きが聞こえた訳でもないだろうが、突如緑大帝の前方の海面が渦を巻き始める。みるみるうちに渦は早く大きくなり、その中心から勢い良く一本の石柱が姿を現す。高さは海面上で十メートルくらい、幅・奥行きとも三メートルはある。
その柱には鎖でがんじがらめにされた見知った男、張遼がくくり付けられている。
そして何処からともなく響くオロチの声。
『よくぞ来られた客人よ。ゆるりと歓待したい処だが、その前に鼠を始末するとしよう』
言葉と同時に緑大帝の後ろから一本の槍が飛来し、張遼の体を鎧ごと貫く。

■[ライゼン]
[続84話 男]
「ぐううああー!!」
張遼は槍につらぬかれがっくりと頭をおとす。
それを見て俺はオロチの非道さに胸くそが悪くなった。
「死んだのか張遼。奴等が言っていた鼠ってお前の事だったんだな。まさか俺達と決着つけるためにオロチの城に単身乗り込んだってーのかよ」
緑大帝でそっと石柱に近寄りながら、俺は知らず口に出していた。敵とはいえ、見上げた男だった。そんな思いが現れたのか緑大帝で鎖を外してやる。
『そのような鼠に情けか』

■[NAG]
[続85話 再対]
「一体、情けの何が悪いって言うんだ!」
俺は赤く染まる空に向かって叫んだ。
『悪いどころか好都合だよ圭一君。精々、頑張ってくれたまえ。クフフフ、クハハハハハ‥‥』
耳障りな笑い声は出所の分からぬまま、闇に侵され始めた空に消えていった。
「今度は何を企んでやがるんだ」
俺は込上げる苛立ちを抑え、張遼を貫く槍を緑大帝の手で石碑から引き抜いた。
「やはり張遼は殺られたか」
突然の声に俺は驚いて振り返った。この声はオロチとは違う。
水平線に沈みかけている赤い太陽を背に一体のロボットが海の上に立っている。
「てめえ司馬か!」
「そうだ貴様から竜と鬼の姫を返してもらいに来たのだ。跳梁は負けたようだが我は前の様にはいかぬぞ」
この時、緑大帝の手には跳梁を貫いたままの槍が握られていた。

■[鬼環ばん!]
[続86話]
ガキッ ガンッ
激しい剣劇。
司馬の力強い太刀さばきに、俺は防戦を余儀なくされる。
−剣技では奴の方が上じゃ! 距離を取れ圭一!−
「解った!」
俺は奴の機体の腹に蹴りを当て、その勢いで大きく後ろに後退する。
−細雪を!−
シルエラの言葉に従い、俺は細雪を右手に構えた。
白く発光する細雪・・・螺旋同様、この太刀も変形可能なのか?
瞬時にして、それは竿状の得物に変わり、緑大帝の手の中に納まる。
「ライフル!?」
−磁気にぃどるとか言うヤツじゃ!−
・・・ドリルにこだわるのな。
俺はトリガーに力を込める。軽い射出音と共に、数発の針が司馬の方へと撃ち出された。
「甘い」
奴の太刀が空を裂く。
鈍い金属音が響き、眼下の水面に、打ち出した針の数だけの波紋が浮かび上がった。
「・・・マジっすか?」
−・・・マジのようじゃ−
絶句する俺達。『復活怪人は瞬殺』ってセオリーを、奴は知らないのか!?

■[緋椿]
[第87話 檄戦]
「それで終わりか? ならば死ぬがいい」
司馬はただそれだけ言い、太刀を構えてこちらに突進してきた。
「シルエラ!」
振り下ろされる剛剣を、太刀へと変化した螺旋と細雪で受け止める。
「くっ……!」
緑大帝の両足が地面をえぐった。とんでもない威力だ。支えているのが精一杯だぜ!
「ちぃ!」
俺は一瞬に力を集中させて、司馬の剣を受け流し、距離を取った。しかし間髪いれずに、地面を蹴って司馬の背めがけて右手の螺旋を振るう。
司馬はその一撃を振り向きもせずに、太刀を左手に持ち替え、横一線に薙ぎ払う。遠心力を込めた一撃に、俺はたまらず右手の力を抜き、司馬の太刀を流した。
馬鹿力が!
俺はすぐさま左手の細雪を構える。細雪はすでにライフルへと姿を変えており、至近距離で司馬を捉えていた。
「くたばれ!」
だが、トリガーを引いたその瞬間、司馬が振り向きざま、右手でライフルを大きく払った。
なっ!
「死ね」
冷たく司馬の声が響いた。
ロボットの背中から、二本の腕が伸びてくる。
(隠し腕!?)

■[良雄(Yoshio)]
[続88話 ダメージ]
「ぐはっ!」
[くぅっ!]
司馬の拳は緑大帝の腹部を直撃し、俺達は真下の水面へと叩きつけられた。
「ふふふ…その程度か、佐久間?そしてシルエラ!」
「く…どういうことだよ?あいつ、前の戦いの時よりも格段に強えじゃねぇか!」
水が衝撃を和らげてくれたのか…緑大帝には特にダメージも無い。シルエラのダメージも…低そうだ。これなら、まだやれる!
「ぐがっ!?」
起き上がろうとした瞬間、俺の腹部に強烈な痛みが走った。見ると、そこからは大量の血が流れている。
[圭一…まさか、直にダメージが!?]

■[軍師T]
[続89話 神器『麒麟』]
緑大帝の装甲を貫いて走る衝撃により俺の腹部がパックリと裂け、赤い血が迸る。
「圭一!」シルエラの悲鳴。
「だ、大丈夫・・・とは言えないか、ぐふっ!」俺は咽に熱い塊を感じ、むせる。ドバッ! 操縦席に新しい血が舞う。内臓をやられたようだ。咽にからまる血を吐き出しながら俺は叫んだ!
「どうなってるんだ!? シルエラ、判るか?」
「しばし待てい。解析しておる!」
何時になく慌てる声が俺の耳に響く。
その間にも司馬が操る金色のロボットが緑大帝に追撃の蹴りを放つ。両腕でブロックする緑大帝。ほとんどダメージは受けていない。
だが・・・
「うがぁ!」
俺は両腕に激しい衝撃を受けてうめく。骨にヒビくらい入ったか。俺はそれでも必死に緑大帝を操作し、続く太刀をかわす。
「四神を上回るあの司馬の機神の力・・・この緑大帝の装甲を無効化・・・空間歪曲? まさかオロチが言っていた司馬と共に封印されていた神器・麒麟!?」
空間を操る神器、『機神・麒麟』ここに降臨

■[鬼環ばん!]
[続90話 脅威×絶望×覚醒]
「冗談きつ過ぎるぞ!それ…」
麒麟と言えば、才子、生誕せし時に天を舞う、108の獣の頂点。
地方により『獣王』と呼ばれ、四方守護獣の曼荼羅には『神』の位にその姿を描かれるほどの大物じゃないか!
−銀竜、黒魔に並ぶ、三族の伝承に残る伝説の機神…まさかそれが司馬めに渡るとは……−
「状況は赤…って奴か…」
タチ悪い奴にロクでも無いのが渡っちまったもんだ。以前生身の時でさえ、あれだけ苦労したのに…。
不意に、目の前が白くかすむ。
ヤバイ…出血で目がやられたか?
−情けないな…佐久間圭一……−
頭の中を、聞き馴染みの無い声が響き渡る。
…誰だ!!
−…何なら、私が戦い方を教えてやろう……−
途端、俺の意識は闇に引きずり込まれた。
この声の主…まさか貴様…孔明!!?

■[良雄(Yoshio)]
[続91話 目覚めた男]
「これで終わりだ…佐久間!」
視界が戻った瞬間、司馬が目の前に迫るのが見えた。もう駄目だ…そう思った時、
「極炎陣!」
俺の意思に反して、突然声が発せられた。瞬時にして司馬の周囲を炎が取り巻く。水の中なのに、だ。
「圭一…お主、大丈夫なのか?」
シルエラが俺を気遣う。
(あ、ああ…でも、何がなんだか訳が解らねぇ。)
俺がしゃべろうとした言葉は声にならない。変わりに別の言葉が発せられる。
「シルエラ様、私を気遣っている暇はありませんぞ。」
「お主…圭一ではない!?」
俺(?)の言葉に反応した瞬間、司馬の一撃が飛んできた。突然のことにシルエラは反応し切れなかったが、変わりに俺(?)が機体を操り、攻撃を避ける。
「くくく…面白いぞ貴様。土壇場でこれほどの術を操るとはな!」
司馬が心底嬉しそうに叫んだ。

■[ライゼン]
[続92話 鍵]
「ふっふっふ。真の能力を今こそ見せてやる」
と、司馬が笑うと同時に麒麟の攻撃が一段と激しくなる。
「むう、シルエラ様、奴にあの力を使わせてはなりませぬ」と、孔明が司馬の攻撃をかわしながら叫ぶ。
「それより、圭一はどうしたのじゃ?なぜお主が!?」
孔明の出現に冷静を欠いたのか機体の制御がワンテンポ遅れるシルエラ。
それを孔明が補佐しながら言う。
「シルエラ様詳しく説明している暇はございませんが、あの麒麟は、この地『九頭竜川』に封印されし破壊の竜クトゥルーを復活させる空間転位門なのです」
(何だって!?)
俺は心の中で頭をかかえた。
「・・なるほど、では司馬はそれを知らずにここまで麒麟を運んできたでもと言うのか」

■[NAG]
[続93話 発動]
司馬の連続攻撃に耐え切れず孔明は一旦距離を置いた。
「そうです。此処であの麒麟に力を使わせればクトゥルーが復活してしまうやもしれません」
「それは不味いぞ」
距離が開き動きを止めていた司馬の操る麒麟だが、その頭から伸びる角の辺りが次第に歪み始める。
「くっ、作動し始めました。シルエラ様、気合を入れて下さいませ。参ります」
緑大帝は麒麟めがけて突進して行く。その手に握る二本の刀に孔明が炎が纏わせる。
だがその間にも麒麟が発する歪みは益々巨大化し、その機体全てが歪みに飲まれそうだ。
緑大帝が切り掛かった。
「倒すのじゃ!」
シルエラの声と俺の叫びが一つに重なる。
「いけえええ!!!」
バヂイ!!!
「くっ、万事休すですか」
俺の叫びも空しく二本の刀は麒麟に届かぬまま、緑大帝は歪みに弾かれ飛ばされた。
勝ち誇った司馬の声が海中に広がる。
「ふはははは、是で終わりだ。死ね!佐久‥‥」
絶体絶命のその時、対峙する二体の間に割り込んで来た奴が居た。槍を体に貫かせたまま奴は其処に立っていた。
「ちょっと待ってくれねぇか。司馬よう。俺の方が先客だった筈だぜぇ」

■[軍師T]
[続94話 鬼人族最強の戦士]
「張遼・・・。死にぞこなっておったのか。何故邪魔をする!」
張遼は胸に刺さっている槍に手をかけると、一気に引き抜いた。水中に血の花が広がる。
「佐久間はわしの獲物の約束・・・」
言ってそのまま麒麟に向けて槍を構える。
「まだわしと佐久間との決着はついておらん。それだけのことよ」
「我に逆らうとは・・・。だがもう良い、シルエラさえ手に入れば、その力さえ手に入ればもはやなにもいらぬ。すべて破壊してくれるわ」
空間の歪みが張遼に向けられ、さらに巨大化する。
「歪みの向こうに消えよ」
「ぬん!」
張遼が麒麟に向かい、一気に加速する。そしてその槍を突き出す。
「馬鹿め、そんなもので・・・なにぃ!?」
なんとその槍は歪みを受け、それどころか押し返し始めているではないか。
「あの槍は・・・」
シルエラが呟く
「オロチが持っていたもの。成る程、あの槍ならばあるいは・・・」
「ぐ、おぉぉ!」
張遼が雄叫びを上げ、槍を横に振るう。水中に激しい振動と、大量の泡が溢れる。その後には、粉々に砕け粉々に砕け散った槍とはるか海底に沈んで行く麒麟の二本の角。

■[鬼環ばん!]
[続95話 利を得たるは我一人]
それは歪みと共に二対の翡翠と姿を変えた。
−これは…第二、第三の勾玉−
そう、先の神話で語られていた、砕けた神器の一部…三つの勾玉の残り。
…待てよ。
「いかん! すぐさまあの勾玉を破壊せねば!!」
さすが同一人物。
孔明は、俺と考えを同じくしたか、そう叫びライフルの銃口を勾玉へと向けた。
『…残念だが、そうは行かない』
重圧のある声…この声は!!
「オロチ!!」
目の前に突如現れるオロチ。
奴は手の中から何かを取り出し、それを俺達の方に突きつけた。
強い振動。
「な、何が!?」
「…麒麟を失ったのは痛いが、全ての神器は揃った。それで良しとしよう」
そう言って奴が翳す鏡の中には…シルエラの姿があった!

■[ライゼン]
[続96話 魂の叫び]
鏡からまばゆい光が緑大帝を包んだ。
同時にシルエラが苦しみだす。
「ぐあああっ」
「いかん!!」
孔明が慌てて鏡からの怪光線から逃れようと体をひねるが、緑大帝は光の前になすすべもないまま、次第に機体の機能を失われていった。
(シルエラぁーっ!?)
俺の絶叫もむなしくシルエラの気配が遠のいてゆく。
緑大帝は元の玄武ロボに姿を戻していた。まるで核として緑大帝を形成していたシルエラのパワーを鏡に吸い取られてしまったかのように。もはや孔明の耳にもシルエラの気配は感じ取れない。
俺は孔明の意識を追いやるかのように絶叫した。
「おおお!!オロチィィィー!!シルエラにひとたびでも傷をつけてみろぉぉぉーっ!この俺の魂果てるまで、貴様を未来永劫追いつめて殺してやるからなぁぁぁぁー!!」

■[軍師T]
[続97話 憤怒の化身]
現れたときと同じく、オロチは突如その姿を消した。
俺は怒りに身を任せ、海面に浮上する。跳び上がった玄武の前には麒麟が剣を突き出して舞っていた。
玄武の左の掌でその斬撃を受ける。剣は掌を貫通し、そのまま肘まで貫いた。
「俺の邪魔をぉぉ! するなぁぁぁぁ!」
俺は玄武の左手を前に押し出した。ずぶずぶと剣がさらにめり込む。そしてそのままもはや原型をどどめぬ左手で剣を持つ麒麟の手を握り締める。鈍い音がして、麒麟の指が捩れ砕け散った。
玄武の左手を肩から外す。左手は麒麟の手首と剣を持ったまま海面に落下した。
瞬時に玄武の右手がドリルに変わり、麒麟の腹部装甲を削りだす。
悪寒!
咄嗟に玄武の首を捻る。直後、麒麟の目から赤い光が発射され、海面を沸騰させる。かすめた玄武の頬当てが溶けている。
「うぉぉ! シルエラァァ」
玄武は溶けた頬当てを外すと、勢い良く麒麟の首筋に噛みついた。激しい火花が散る。同時にドリルが麒麟の装甲を貫く。
右手をドリルモードから解除すると、俺はコクピットの司馬を玄武の右手で掴みこんだ。
「塵になれぇぇ!」
そのまま握りつぶそうとする。

■[鬼環ばん!]
[続98話 敗北を知る…]
その時…司馬の奴は間違い無く『笑った』。
雷鳴が鳴り響く……。
暗雲の中一条の光が、天から海へ、落とされるのを…奇しくも、地上に在る全ての生命が、目撃した。
破壊を司る龍…九頭竜。
奴の到来は海を裂き、地を揺るがせ…天を焼いた。
アジアと呼ばれる地域…それらは全て、海のもくずと消える。
火山帯の活発な運動が、世界の形をそうさせたのだ。
多くの命がその物語を終え、そして俺は…敗北したのだと言う事を理解した。

■[NAG]
[続99話 暗黒の儀式]
シルエラ‥‥
俺はまたおまえを守れなかったのか‥‥。
ちくしょう、ちくしょう、ちくしょう、
ちくしょう、ちくしょう、ちくしょう、
畜生!!!
世界が荒れ狂う海に呑まれて行く様を眺めながら俺は、先程から反応を示さなくなった玄武のコントロールパネルを叩き続けた。
程なく、玄武も浮力を失くし他の全てと同じように波に呑まれてゆく。
神々しいとすら思えるほど禍々しき姿を晒す龍と、黒き海と黒き空だけしか其処にはなかった。
荒れる海に翻弄される機体の中で全てのランプが消えてからも、俺は叩き続けた。

■[ライゼン]
[続100話 胎動]
龍は動き始めた。
そしてあっという間だった。
九つの巨大なうねりがマグマを求めて地殻を突き破ったのだ。まるでミルクに飢えた赤子のように。
同時に世界各地の火山帯の咆哮。
もはや圭一の乗っていた玄武の姿も見ることはできない。
「・・地球を潰しちまうってのかよ。司馬よう、てめえとオロチよう・・」
絶望に彩られた呟きが鬼人族最後の将から洩れた。だがその呟きは狂ったように暴れまわる龍と嵐によってかき消された。
張遼の腕には、意識を失ったのかぴくりとも動かない圭一の姿。
「佐久間よう、てめえはわしより先にくたばっちゃいけねえんだ」
血にまみれ震える手で、張遼は白く光る結界に圭一を横たえる。張遼の胸からおびただしく流れ出る血流。もはや余命いくばくもないのか。
「てめ・・えはわしの獲物なんだか・・らよぉ。・・だからぁ、生きろぉぉぉ!」
張遼は結界を最後の力で空に向かって打ち上げた。次の瞬間、轟音とともに張遼の姿は、消えてしまっていた。海水も何もかも・・・。
そして、光は宇宙へ。

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Kakurega Novel Ver.20060310
Written By 神剣士の隠れ家

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