悠久の刻のなかで

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「悠久の刻のなかで」は、「交易路ライゼン」で開催されるリレー小説です。

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「悠久の刻のなかで」インデックス

オリジナル版『悠久の刻のなかで』(継続中)
[001〜020] [021〜040] [041〜060] [061〜080] [081〜100]
[101〜120] [121〜140] [141〜160] [161〜180] [181〜200]
[201〜220] [221〜240] [241〜260] [261〜280] [281〜300]

編集版『悠久の刻のなかで・第一部』(全22頁)
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03/22 頁

俺は懐中電灯を片手に、社の中を歩き回っていた。驚くべきことに、ここには妖鬼帝国の存在していた痕跡のようなものがあちこちで見付かった。まさに、『伝説は実在した』ってところだ…。

「…凄まじいな。」

俺は懐中電灯で照らされた天井を見上げながら呟いた。天井には無数の地獄絵図が描かれている。

「うわ!?」

天井の絵に見とれながら歩いていた俺は、床の抜けていた部分にまともに足を突っ込んでしまった。そのままずるずると滑り落ち、尻餅をついて着地した。我ながら…なんとも間抜けなミスだ。

「痛てて…。しかし今日は、よく落ちる日だな…。」

ぼやき、打ち付けた尻を擦りながら俺は身体を起こす。同時に、俺は目の前の異質な存在に気付いた。それは、古ぼけた空間にはおよそ似つかわしくない程の光を放つ、一体の白銀のロボットだった。

「…これは!」

俺は目を疑った。

「こんな地下深くの空間に、こんなものがあるなんて…。」

それは、人間のような形をしている。しかし、その身体は白銀に輝き、戦国時代の武将が纏うような鎧を身に着けていた。驚くべきはそれだけではない。首から上…頭部は完全に爬虫類のものだ。そしてその額には、綺麗な白銀の角が生えている。

この瞬間、俺は思い出した。『妖鬼帝国には龍頭の戦士がいて、人を喰らう』という伝説のことを…。その伝説が真実だとしたら…。

「絶対絶命…だな。」

俺がそう口ずさんだ瞬間、白銀のロボットは動き出し、背中の刀を引き抜いて構え始めた。

「ちぃっ、厄介なことになったな!」

俺は素早くその場から飛び退き、七つ道具の一つ、サバイバルナイフを構えた。…が、白銀のロボットはそれ以上動かない。どうしたことかと思っていた俺だが、突如頭の中に何者かの声が響いた。

[よくぞ来た…失われし力を引き継ぐ者よ…。永きの間、我はそなたの来訪を待ち侘びていた。]

ロボットは構えた刀を地面に突き刺すと、俺に向かって手を差し出した。

[我は待っていた…汝の来訪を、遥か太古の昔から待ち望んでいた…。]

その時、俺はようやく理解した。この声は、目の前のロボットから発せられているということに…。

[さぁ…いまこそ我が目覚めの時…マスターよ、我が手に乗るが良い…。]

俺は何かに取り付かれたようにロボットへと歩みを進める。そして、俺の右足がロボットの手に乗った瞬間。

「待たれよ!」

突如響いた声に我に戻った俺は、慌てて声の主を探す。そして、それは俺の遥か頭上にいた。

「『銀の大帝』は我等が秘宝。失われし力を継ぐと言えど、貴様のような者に渡す訳には行かぬ!」

額に角を生やした白髪の男が、空中に浮いていた。一体、どうやって飛んでるんだ?

「我が名は白龍! 我が主の命により、貴様の首、貰い受ける!」

白龍と名乗ったその男が指を鳴らすと、壁を突き破りながら巨大なロボットが現れた。見た目的には、先程の蜘蛛と同じ質感だ。

[ぬう…マスターよ、我に乗り込むのだ! 早く!]

「ええい、なんのことだか解らねえが…なるようになりやがれ!」

俺はロボットの腕を駆け上ると、胸部にあるコクピットに乗り込んだ。

その時、奇妙な感覚が俺を襲った。…何も無いのだ。普通ならば、こういう乗り物にはコクピットが付いているはず。だが、コイツにはそれが無い。俺の身体は中に浮かんでいるのだ。

突如目の前にスクリーンのようなものが広がり、外の様子が映し出される。目の前にはさっきの巨大ロボットが移っているが、動き出す気配が無い。まるで、時間そのものが止まってしまったようだ。

「…どういうことだ?」

俺がそう思うと、不意に頭の中でさっきの声が響いた。そして、スクリーンが一斉に消えて行く。

[失われし力を継ぐ者よ…汝が真に我がマスターとなるに相応しいか、今からそれを試させて貰おう。]

声が聞こえなくなると同時に、俺の頭を激痛が襲った。

「ぐ…うぐあぁっ!」

俺は痛みに耐えようと歯を食い縛ったが、それも長くは持たなかった。とめどなく激痛は俺の頭を襲い、貫く。

「ち…畜生…ッ!何なんだ、この痛みは…!」

特に痛むのは額だ。俺は何とかして手を動かし、擦ろうと額の辺りを探る。…が、そこで俺の手は覚えの無い感触を拾った。額から伸びる長く、硬い物体…。少しづつ上へと手を移動させていくと、やがて細く尖った先端に突き当たる。

「なんだ…これ…?」

さっきまでの痛みは嘘のようにひいた。俺は額のモノの存在を確かめるため、何か鏡の変わりになるものを探す。ふと視界の片隅にディスプレイ装置のような物を発見し、顔を映りこませる。そこに写っていたものは…。

「角!?」

ディスプレイに映し出された俺の顔には、見慣れない物が額から生えていた。先端が鋭く尖った白銀の長い物体…それは紛れも無く、ロボットと同じ、角だった。

[見事なり、力を継ぐ者よ…。]

声と同時に、スクリーンに、再び外の様子が映し出される。

[汝を我がマスターと認める。汝…我が忠誠を得るが良い。]

「…ッ! 何を勝手な……ぐわ!?」

俺がロボットの声に抗議した瞬間、突然の衝撃が俺を襲った。慌てて外を見ると、白龍と名乗ったやつが呼び出した巨大ロボットの拳が、目の前に広がっていた。

[先人は古来、強大なる力を持っていた。そして、その力故にまた、滅んでいったのだ…。]

再び声が頭に響く。

[我と共に戦うこと…それ即ち、先人の強大な力を得ること…。汝、その力に心惑わされることなく、我を使役してみせよ。]

「…ちっ。よく解らねえがな、こんな物を付けられても嬉しくもなんともないね!」

俺は、自らの額に生えた角を触りながらぼやいた。

「力が欲しくないわけじゃねえがな、俺が俺じゃ無くなるのはまっぴら御免だ! 力に支配され、自分を失うくらいなら、俺は力なんていらねえ!」

俺はきっぱりと言い放った。そう…俺は俺の道を行く。

[よくぞ申した…我が名は『銀の大帝《シルバーエンペラー》』。汝、我が忠誠を得よ。我に汝の名を示せ。]

「俺は圭一…佐久間圭一だ!」

その瞬間、俺は『銀の大帝《シルバーエンペラー》』のコクピットに座っていた。そっと額に触れる…すでに俺の額からは角が消えていた。

[承知。我、汝…圭一に絶対の忠誠を誓おう!]

『銀の大帝《シルバーエンペラー》』が吼える。俺も、それに応じて叫んでいた。

「行くぞ、白龍うぅ!!」

「悠久の刻のなかで」インデックス

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Kakurega Novel Ver.20060310
Written By 神剣士の隠れ家

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