悠久の刻のなかで

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「悠久の刻のなかで」は、「交易路ライゼン」で開催されるリレー小説です。

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「悠久の刻のなかで」インデックス

オリジナル版『悠久の刻のなかで』(継続中)
[001〜020] [021〜040] [041〜060] [061〜080] [081〜100]
[101〜120] [121〜140] [141〜160] [161〜180] [181〜200]
[201〜220] [221〜240] [241〜260] [261〜280] [281〜300]

編集版『悠久の刻のなかで・第一部』(全22頁)
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「今日は、やけに月がデカく見えるな…。」

なれない姿で空を飛んでいると、流石に疲労が半端じゃない。俺は疲れを癒す為、東京タワーのてっぺんで小休止していた。まったく…これじゃいつになったら妖鬼帝国に辿りつくのやら…。…と思っていたその時。

「殺(と)ったぞ、孔明!!」

物凄い勢いで切りつけて来たのは…高順だ。だが、俺はその攻撃を難無くかわすと、高順の腕を掴む。

「…我が右手に虎のごとき爪!」

一瞬にして、右手に鋭い爪が生える。そしてその爪を、俺は躊躇することなく高順の胸に叩き込んだ。

「!?」

バッという音と共に、高順は大量の白い呪符と化す。

「しまった、式紙か!!」

「かかったな、孔明!」

頭上を振り仰ぐと、そこには何人もの高順の姿があった。

「オロチ殿より賜った呪符の威力…とくと味わえ!」

十人の高順が一斉に襲い掛かってくる。

「ちいぃっ!」

俺は翼を広げ、回転する。同時に、周囲から竜巻が立ち昇る。

「その程度の風術でオロチ殿の符術は破れぬ。甘いぞ孔明!」

全ての高順が叫び、剣を頭上にかざす。

「とどめだ!」

「…我が眼に宿りしは、真実を捉える龍の眼。」

俺がそう呟くと、閃光と共に高順の姿が次々と呪符に転じていく。

「馬鹿な…オロチ殿の術が破れると…は…。」

ゴキン。一瞬の隙を突き、俺は高順の首をへし折った。確かな手ごたえ…高順はうめき声を上げる暇も無く息絶えた。

「孔明孔明ってうるせーんだよ。俺は佐久間圭一だ。」

「見事なものだな、佐久間殿。」

背後に玄徳の姿が現れる。

「…いたのか、玄徳さん。てっきり、先に行ったものだと思ってたぜ。」

「ふ…お主の今の速度ではいつ妖鬼帝国に辿りつくかも解らんのでな、迎えに来てやったぞ。しかしそれにしても…。」

物言わぬ骸(むくろ)と化し、タワーのてっぺんに串刺しにされている高順を見下ろしながら言う。

「儂と別れてからほんの数時間だと言うのに…孔明の行使していた術の全てを思い出したようだな。その力なら…必ずや司馬を滅ぼせよう。」

玄徳がそこまで言った時、突然の爆音と共に、何者かが俺達の前に現れた。額に生える二本の角と、邪悪な波動…こいつはまさしく…。

「司馬!」

俺が反応するよりも早く、玄徳が司馬へ飛び掛る。

「貴様の幻術により、曹操の傀儡に堕(お)ちた我が義兄弟の悲しみ…苦しみ…。司馬、貴様は決して許さぬ。この玄徳の怒り…受けよ!!」

俺も加勢しようと後を追うが、玄徳はそれを制する。どうやら一人で戦うつもりらしい。まだ年端もいかぬ少年の姿をした玄徳…しかしその内からは、とてつもない威圧感を発している。今まさに、静かなる龍が雄雄(おお)しく天空へと舞い上がるかのようだ。そして、玄徳は剣を抜き、司馬に斬りつける。

「ふ…流浪の日々を送るのにも空いたか、玄徳よ。ならば、死ぬるが良い!!」

司馬はいつのまにか握り締めていた剣を振る。剣光一閃。膨大な力の解放。衝撃波がタワーをへし折るが、玄徳は紙一重でかわすと、下段より正眼へと突きを入れる。それを眼前で跳ね返す司馬。反撃。再反撃。

「はあぁっ!!」

「むんっ!」

火花を散らし、斬撃を繰り返す二人…それは、永劫に続くかと思われた。しかし次の瞬間…。

ガインッ

鈍い金属音と共に、玄徳の剣が折れる。玄徳は驚愕し、司馬との距離を置く。

「くっ…我が剣が!」

「くくっ。さしもの玄徳も、神器の前では赤子同然か…。」

「神器だと…!? 貴様、まさかそれは…『草薙(クサナギ)の剣』!?」

『草薙の剣』…。改めてみたその剣の美しさに、俺は暫(しば)し戦いを忘れかけた。

「くくく…何を言っている? 神が神器を手にすること…当然のことではないか。」

言うと、司馬は俺の方に向き直る。

「それに…このようなものもあるぞ。」

懐から何かを取り出す。青銅色の丸い物体…それは。

「『八咫鏡(やたのかがみ)』!? 貴様…そのようなものまで!」

『八咫鏡』…先程の『草薙の剣』と同様に惚れ惚れする美しさだ。思わず眼が奪われる。しかし、その瞬間眼に飛び込んできたのは…。

「シルエラ!?」

そう、鏡の中には、眠るように眼を閉じたシルエラの姿があったのだ。

「素晴らしいぞ、この娘は。曹操から喰らった力とは比べ物にならぬ程の力だ! しかも…我がどれほどの力を使おうとも、いくらでも力を与えてくれる。そう…このようにな!」

言うや否や、司馬の額に、第三の眼が開いた。

「ふははははっ! 蘇る…蘇るぞ! 遥か昔…破壊神と呼ばれたシヴァの力がな!!」

「シヴァ…。貴様、破壊と創生の神を気取るつもりか!」

玄徳が叫ぶ。同時に強烈な『気』の力が辺りに充満する。その力の膨大さに周囲の空間が捻じ曲がるが、司馬は涼しげな顔をしている。

「その通りだ。今こそ世界は滅びの道を歩む。そして…そこから歴史が生まれるのだ。」

司馬は、自分こそが全知全能の神だと言わんばかりに言う。まったくもって頭がイッてるとしか言いようが無い。だが、そんなことはどうでも良い。俺にとって重要なこと…それは、シルエラの安全だ。

「司馬あぁぁーーーーーーっ!!!!」

俺は無謀にも、一切の術を使わずに司馬に殴りかかった。

「ふん…。」

俺が拳を突き出した瞬間、司馬は自らの眼前に鏡を掲げた。俺は慌てて拳を止める。

(ヤバイ…隙だらけだ!)

そう思った時、司馬は鏡を更に突き出した。

「波っ!!」

刹那、司馬の放つ瘴気が爆発的に広がり、俺はその衝撃に吹き飛ばされた。

「くそっ……!?」

なんとか態勢を立て直した瞬間、俺の目に飛び込んできたもの…それは、辺り一面が焼け野原になった町の姿だった。

「神の力を取り戻した我に、もはや敵などおらぬ!」

司馬は剣を構え直す。

「…我が手に宿りしは、地獄の業火。」

俺がそう言うと、両腕に赤黒く輝く炎が現れた。

「喰らえ! 煉獄(れんごく)!!」

俺が拳を突き出すと、炎は龍のような形をとり、司馬めがけて一直線に突き進んでいった。だが…。

「その程度の術など効かぬわ!」

司馬が剣を軽く一振りしただけで、炎はかき消されてしまった。

「ちっ…孔明の術でも、効かねえってか。」

もはやシルエラを助けることは叶わないのか…。俺がそう諦めかけた時、司馬の背後に回り、両腕を天に掲げた玄徳の姿が見えた。

「来たれ、我が義兄弟達よ!!」

玄徳が叫ぶと同時に、雲の切れ目から三つの雷光が降り注ぐ。光は玄徳の周囲に集まり、やがて人の形をとった。関羽に趙子龍。それにあの巨漢は…恐らく張飛だろう。

「孔明殿、我等が命を賭して、司馬の動きを止めて見せよう!」

関羽。

「圭一殿、あなたへの借り…司馬を討つ為の盾となることで返しましょう!

趙子龍。

「司馬ぁ…儂等を操るとは良い度胸しとるのう。この借り、テメエにも返してやるぜ!」

張飛。

そして…。

「今こそ終わりの時だ、覚悟せよ!」

玄徳。

四人が一斉に……飛ぶ!

「くくくっ。孔明一人に戦いを押し付けて何をやっているかと思えば…そやつ等にかけた術を解きに行っていたというわけか。よかろう、四人まとめて潰してくれる!」

司馬はまたも鏡を掲げ、シルエラから力を吸い出す。限界に来ているのか…シルエラの表情が苦悶の表情に変わる。それを見た瞬間…俺の中で何かが弾けた。

「彼女が何をしたって言うんだ! なんで悠久の刻を超えて尚、利用され続けなけりゃならないんだ!?」

俺の中から膨大な力が溢れる。あまりに強大すぎる為か、周囲の地面が窪む。

「あいつは悠久の刻を超えて、俺を選んだ。だったら…諦めてなんかいられねぇよ!」

『気』が爆発し、地面が砕ける。

「俺だけが生き残ったって意味がねぇ…だから!」

司馬めがけて思い切りジャンプする。

「だから司馬、シルエラを返して貰うぞ!!!」

「悠久の刻のなかで」インデックス

オリジナル版『悠久の刻のなかで』(継続中)
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Kakurega Novel Ver.20060310
Written By 神剣士の隠れ家

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