悠久の刻のなかで

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「悠久の刻のなかで」は、「交易路ライゼン」で開催されるリレー小説です。

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「悠久の刻のなかで」インデックス

オリジナル版『悠久の刻のなかで』(継続中)
[001〜020] [021〜040] [041〜060] [061〜080] [081〜100]
[101〜120] [121〜140] [141〜160] [161〜180] [181〜200]
[201〜220] [221〜240] [241〜260] [261〜280] [281〜300]

編集版『悠久の刻のなかで・第一部』(全22頁)
[01頁] [02頁] [03頁] [04頁] [05頁] [06頁] [07頁] [08頁] [09頁] [10頁] [11頁]
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20/22 頁

鈍い音を立てて、張飛の大刀が砕ける。

「ぬぅっ!」

獲物を失い、動揺した一瞬の間を突き、司馬が張飛との間合いを一気に詰める。そして…。

ガブリッ

嫌な音がして、張飛の腕が飛んだ。

「ぬおおぉぉーーー!!!」

「くくく…最後の神器、『勾玉(まがたま)の牙』で腕を噛み砕かれた気分は、どうだ?」

司馬の口には、先程まではなかった長い牙が生えている。『勾玉の牙』…あの野郎、一体いくつ神器を持ってるって言うんだ?

「ぐおぉ…司馬ぁっ!」

張飛は腕を噛み切られて尚、司馬へと向かって行く。…が、力の差は歴然だ。司馬は張飛を片手で吹き飛ばすと、関羽、趙子龍、そして玄徳をも切り裂く。

「無駄無駄無駄ぁっ! 我は神ぞ! 貴様等の様な雑兵が束になろうとも、我には触れることすらかなわぬわ!!」

四人が立て続けにやられていくのを見た俺は、再び戦意を失いかけていた。

「残るは孔明…貴様だけだ。どうした、貴様はかかって来ぬのか?」

司馬は俺の方へと向き直ると、とびきり邪悪な笑みを浮かべた。蛇に睨まれた蛙…俺はまさに、それと同じ状態にある。指一本動かすことさえかなわない。

「来ぬのか…ではこちらから行くとしようか…。」

ジリジリと詰め寄る司馬。俺は後じさりすることも出来ない。と、その時…。

[逃げろ…圭一……。]

シルエラの声が聞こえた。とっさに鏡を見る。シルエラが、悲痛な面持ちで俺を見ている。自分だって辛いはずなのに……。その時、俺の中から恐怖が完全に消えた。

「シルエラ…うわああぁっ!!」

俺は、呼べるはずのない『銀の大帝《シルバーエンペラー》』を呼び出していた。

『銀の大帝《シルバーエンペラー》』に乗って解ったことだが、いまのこいつは核…つまりシルエラ無くして、自分の意思で動いてるようだった。微かにだが伝わってくる『銀の大帝《シルバーエンペラー》』自身の声…。心を持たぬはずの機械の声……。

[姫を……救え………。]

か細く、消え入りそうな声だが、ハッキリと聞こえた。

「そうか…お前も…。」

俺は大きく息を吸い込み、叫ぶ。

「三族統一だの神だの…俺には関係無えっ! だが…シルエラだけは意地でも助けてやらぁっ!!」

そっと内壁に触れる。

「…行くぜ、もう一人の相棒!」

そう叫び、一直線に司馬へと向かう。しかし…司馬の様子がおかしい。

「ぬぐあぁっ!? こ、これはぁっ!!?」

ビシビシと音を立てて、司馬の身体にひびが入る。ひびの中心にあるもの…それは、鏡だ。

[司馬…お主の終わりの刻ぞ…。]

シルエラの声が聞こえる。先ほどまでの衰弱しきった声ではない…いつもの、いや、いつも以上に凛とした声だ。

「馬鹿な…自ら封印を破ると言うのか…うぐぉっ!?」

司馬の動きが完全に止まった。どうやら、シルエラが内部から何かやったようだ。

[ふふふ…司馬よ、お主『三種の神器』というものを勘違いしておるようだの。数は、三つではないぞ…。]

「何? ぐうぅっ!?」

[一振りの剣…一組の牙…そして、2枚の鏡……。]

シルエラの姿が、鏡の中から解き放たれる。その姿はまるで…。

「女神…。」

放たれる神々しい『気』…俺は、彼女の中に女神の存在を感じた。

[神器の真の使い方、とくと教えてやろうぞ。]

シルエラが手をかざすと、鏡が割れた。いや…分かれた。

「そ…それはまさかっ!」

[漆黒の合わせ鏡よ…。]

司馬の正面に立ち、両手を合わせるシルエラ。彼女の手の動きに合わせて、2枚の鏡が司馬を挟み込む。

「馬鹿な…これは鏡の巫女だけが持ち得る鏡結界…! うそだ! うそだうそだ! 鏡の巫女は伝説にのみ生きる存在のはずだぁっ!!!」

[去(い)ぬるが良い、愚か者めが。]

パァンッと大きな音と共に、シルエラの両手が完全に合わさる。同時に、合わせ鏡が完全に閉じる。

「おのれ…おのれええぇぇぇぇ………!」

司馬は何とかして呪縛から逃れようともがくが、まったく歯が立たず、やがて鏡の中へと消えていってしまった。

「司馬が…消えた…?」

[時空の彼方へと放り出してやったわ。さて…圭一、そして『銀の大帝《シルバーエンペラー》』よ……。]

シルエラが振り向く。だが、司馬を倒したというのに、彼女の表情は晴れない。

「シル…。」

俺は彼女に声をかけようとした。しかし、彼女はそれを制すると、口を開いた。

[儂はの、圭一…お主に会えて嬉しかったぞ…。]

「え…?」

妙だ。司馬が居なくなり、彼女は自由になったはず…なのに、何故過去形で話す?

[もう…終わらせなくてはな……。]

「シルエラ…何を!?」

俺が叫ぶよりも早く、シルエラは鏡を手にした。

[儂は鏡の巫女じゃ。古来より全ての生物が望んでやまなかった理想郷への道標…。]

「道標…?」

[儂はもう耐えられぬ。生き物の果て無き争い、巫女としての使命、そして…お主への思い…。]

鏡が大きな音を発する。俺はそのあまりの音量に耳を塞ぐが、音は直に脳に響く。

[終わらせる。全ての争いを…。]

ひときわ大きな光が辺りを包むと、鏡の周囲に神器が集った。草薙の剣、勾玉の牙…いずれも、司馬と共に消え去ったはずなのに…。

「シルエラ!」

[さらばじゃ圭一。お主とは短い付き合いじゃったが、一生分の幸せを貰ったぞ…。じゃから代わりに…。]

神器と共に、彼女の姿が薄らいで行く。

「ま、待ってくれ!」

俺の叫びもむなしく。彼女は神器と共に姿を消した。代わりに現れたもの…それは、一本の槍だ。その瞬間、孔明の記憶が俺を支配した。なぜ理想郷を目指したか、何故理想郷に辿りつけなかったか、そして…どうすれば理想郷へ行くことが出来るのか……全ての知識が流れてくる。

「生贄…だってのかよ!」

シルエラは『銀の大帝《シルバーエンペラー》』の核。

『銀の大帝《シルバーエンペラー》』の核は鏡の巫女。

鏡の巫女は理想郷への道標。

理想郷への道標は…己を犠牲とし、その道を開く……。

「まさか……。」

彼女は最後にこう言った。『幸せを貰ったから、その代わりに』…と。

「冗談じゃない!!」

俺は理想郷なんて望んでいない。俺が望むもの…それは、シルエラだ!!

「『銀の大帝《シルバーエンペラー》』…行くぜ!!」

俺はありったけの『気』を『銀の大帝《シルバーエンペラー》』に込める。先の戦いで失われた『銀の大帝《シルバーエンペラー》』の左腕が、一瞬にして再生する。

「螺旋! 細雪!」

右手に『螺旋』を、左手に『細雪』を、それぞれ召喚する。

「この力全てと引き換えにしてでも…絶対に道は開かせねぇぞ、シルエラ!!」

バキュウッ

中央で交差させた二刀が融合する。

「シルエラアアアァァァッ!!!!!!」

俺は持てる力の全てを込めて、槍をへし折った。槍は光と共に崩れ落ち、そして、その光が全てを飲み込んだ……。

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Kakurega Novel Ver.20060310
Written By 神剣士の隠れ家

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